4月13日(水曜日)の日本経済新聞の夕刊に博報堂「新しい大人文化研究所」の阪本節郎(さかもと せつお)さんのコラムがありました。正に我が意を得たりという感じのコラムでありました。

阪本さんは、2025年には1947年から49年生まれの団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になると、医療・介護の給付費が激増して、その額が現在の1.5倍の75兆円に達すると言われていることについて、疑問を持っておられます。ポイントは団塊の世代もその前の世代と同じような比率で要介護状態になるかという点です。

経済産業省の調査では大手スポーツジムの60歳以上の会員は全体の30%を占め、10年前より11ポイント増えているそうです。団塊世代が60代になったことが要因の一つと言われています。

また、団塊の世代を含む60代への調査では、要介護状態にならないために、日ごろ何らかの予防の取組をしている人の割合が、何と8割を超えているそうです。これに比べて、現在の後期高齢者は介護にならないよう予防するという考え方がなかった世代でもあるわけです。以上を考慮すれば、この先、「後期高齢者の数は増えても要介護比率自体は減少に向かう可能性がある」と阪本さんは言っておられます。

団塊の世代が取り組む介護予防策で多いのは、健診、運動、散歩、手足指の運動、読書です。このうち運動、散歩は介護予防で提唱されるロコモチャレンジに近く、手足の指の運動、読書は認知症予防であり、それなりに理にかなっているそうです。

こうした団塊の世代の取組を社会的に後押しすれば「公的費用の受給者」から「健康のために消費をする側」に、「若者の世話になる側」から「若者の雇用を生み出す側」に転換する可能性があると言っておられます。まさしく私の言う「シニア革命」と同じ考え方のようです。こうした前向きな議論がもっともっと進んだら社会全体が明るくなるのではないかと私は思います。