埼玉県のスパゲッティの購入額や購入量が全国トップクラスということを知っている方は少ないと思います。このことについて、1月5日(火曜日)付けの日本経済新聞に興味深い記事が掲載されていました。

 総務省の家計調査にある県庁所在地別の調査結果によると、2012年から2014年までの二人以上世帯のスパゲッティの年間購入量は平均4,262グラムと全国平均を3割以上上回り、県庁所在地ではさいたま市が1位だそうです。1食100グラムとすると1世帯当たり自宅で年間40食以上消費していることになるとのことです。

 その理由として「埼玉の逆襲」の著者である谷村昌平(たにむら しょうへい)さんは、安価なロードサイドのイタリア料理チェーンが多いことが背景にある、と解説されておられます。幼いころから手軽な外食としてパスタを食べる習慣が根付いているため、自宅の消費量も多いのでは、という見方だそうです。確かに県内の幹線道路沿いには、「るーぱん」(本社は行田市)や「馬車道」(本社は熊谷市)といった地元のイタリア料理チェーン店が点在しており、「サイゼリヤ」も吉川市に本社があります。また、さいたま市はパスタにはつきもののチーズの購入量や支出額でも上位にランクインされています。

 実は、埼玉県は小麦文化とのかかわりが深いのです。埼玉県のうどんの生産量は香川県に次いで全国第2位、また小麦の収穫量も全国6位です。そういう意味で小麦を使ったうどん、あるいはパスタといったものが好まれる傾向にあるのかもしれません。