去る1月29日(金曜日)に朝霞市にある埼玉県警察本部警備部の機動隊を視察してまいりました。機動隊と聞けば、一般的には社会秩序を守る観点からデモ隊などの行動を規制する部隊だというイメージがあるのではないかと思います。しかし、現実には機動隊は住民の生命や財産、公共の安全や秩序を守るため、日常では起こりえない事態にも対処するための部隊であり、日々人間の限界に近い訓練を積んでいることを改めて認識したところです。

 世界では過激派組織「イスラム国」(IS)などによるテロ行為が頻発している今日、機動隊の役割の中でも、テロ防止対策などが極めて重要になっていると思っております。今年は伊勢志摩サミットが、2019年にはラグビーワールドカップが、そして2020年には東京オリンピック・パラリンピックという大規模なイベントが相次いで開催されることが決まっています。世界中から大勢の人々やVIPが日本に集結する中での騒擾(そうじょう)を防ぐため、ありとあらゆる想定の中で事案対処能力を高めなくてはならないと日々訓練を重ねられています。

 特に銃器などを持った犯人グループがいる場合、通常装備の警察官では被弾する可能性もありますので、防弾チョッキ、防弾用の盾、防弾用の車両など耐弾性を持つ資機材を駆使しながら、犯人逮捕に向かっていくための訓練などが行われていました。特に感心したのは、犯人グループに接近していく訓練です。盾を3枚つなげたり、4枚つなげたり6枚つなげたりと犯人側の状況に応じて、臨機応変に対処されていました。また、こうした訓練を積み重ねる中で盾を連結可能なものに改良するなど、アイディアを出しながら資機材の充実を図っているとお聞きし、正に現場ならではの話だと感じたところでした。

 また、プールを使って水難救助部隊の訓練も行われておりました。5メートル、6メートルといった深い水域の中で人命救助や証拠品などの捜索に当たるための訓練ですが、汚れた川などで一切視界がない状況を想定し、手探りをしながら、チームを組んで守備範囲を徐々に狭めていくというものです。こうした本当に困難な訓練を何度も何度も積み重ねて、いざというときにも機能するようにしているのだなと感心いたしました。精鋭からなる特別な部隊の存在が、一線で活躍する本県の警察官全員の正に最終的な信頼のよりどころになっているのかなと感じたところでした。