埼玉でヨーロッパの野菜の地産地消が始まっています。サラダに使う「ラディッキオ」や黒キャベツとも呼ばれる「カーボロネロ」といったイタリア野菜があるそうです。こうした野菜は洋食店を中心に需要がありますが、これまでは輸入に依存していました。
そこで、さいたま市内の若手農家、レストラン、卸売業者、種苗会社により平成25年4月に「さいたまヨーロッパ野菜研究会」が結成されました。地元レストランシェフの「本場の野菜を使いたいのになかなか手に入れることができない。さいたまでヨーロッパ野菜が作れないだろうか」という要望から取組が始まったそうです。ニーズがあるところには必ずサービスが始まるという典型であります。
研究会では、さいたま市に本社のある種苗会社が日本の気候風土でも栽培しやすいように品種改良した野菜の栽培方法を指導し、シェフや卸売業者は使いやすい野菜の大きさなどの意見を出し、生産者同士も協同してよりよい栽培方法などを模索してきました。現在、20代、30代の若手生産者約10人が、国内ではほとんど流通していないヨーロッパ野菜約40種を栽培しているそうです。これらの野菜は卸売業者を通じて、県内のレストランやホテルなどを中心に約1000店舗で取り扱われ、地産地消につながっているそうです。まさに高付加価値のローカル農業のモデル事例ではないでしょうか。
こうした取組がもっともっと進み、県民の皆さんが身近なレストランで、しかも埼玉で生まれた新鮮なヨーロッパ野菜を美味しく頂くことができるというストーリー。なかなか楽しいものです。