「カメラを止めるな!」という映画を御存じでしょうか?
製作費300万円という低予算で、監督も役者も無名であるにもかかわらず、SNSなどで評判を呼び異例の大ヒットを記録している映画です。
当初の予定では2017年11月のイベント上映のみだったこの映画ですが、一部の映画ファンの目に留まり高評価を得ました。それがきっかけとなり今年6月に都内のミニシアター2館で興行が始まると、連日満員続きになったといいます。映画を見た有名人のツイートや、一般の方々が次々に行ったツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどでの情報発信により、世間的な注目度も上がっていきました。
この現象がウェブニュースやテレビの情報番組にも取り上げられるようになると、8月には上映する映画館が順次全国に拡大し、9月には320館以上にまで増えたそうです。
今年話題の映画の一つに躍り出た「カメラを止めるな!」ですが、実は、川口市にある映像産業拠点「SKIPシティ」と大きな縁があります。
この映画を制作した上田 慎一郎(うえだ しんいちろう)監督は、本県が川口市などとともに毎年実施している「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」の出身者なのです。2012年に短編コンペティション部門で「恋する小説家」という作品がノミネートされましたが、これが上田監督にとって大きな映画祭での初のノミネートだったそうです。2016年には「テイク8」がノミネートされ、短編コンペティション部門の「奨励賞」を受賞されています。
また、SKIPシティはこの映画の撮影地として使われています。そのような縁もあって、9月22日(土曜日)にはSKIPシティで上田監督のトークイベントなどが行われました。
Dシネマ映画祭は、次世代を担う新たな才能の発掘を一つの目的にしており、これまで「孤狼の血(ころうのち)」の白石 和彌(しらいし かずや)監督、「愚行録(ぐこうろく)」の石川 慶(いしかわ けい)監督などの若き才能を育ててきました。
映画祭の出身監督が立派な実績を上げると、この映画祭の注目度も上がります。それによってSKIPシティに新たな才能が呼び込まれ、ここで育ち、すばらしい作品を製作して飛び立っていく、といういい循環が生まれます。
上田監督の今後のますますの御活躍を期待したいと思います。