11月17日(木曜日)に「知事のとことん訪問」で伺った株式会社奥井組(入間市)は、大型重機や精密機械などの輸送から据付工事までをワンストップで提供する会社です。
種子島から打ち上げられているH-2(エイチツー)ロケットの固形燃料ブースタを、平成10年以来、関東から種子島まで運んでいます。ヘッドと長い台車を合わせた全長22mのトレーラで運びます。一般の電車の長さが20mですから、それよりも長いということになります。トレーラ単体では周囲の確認が難しいので、先導車と後方警戒車が付き添って、乗務員からの無線の指示で安全を確認しながら走行します。
輸送に当たっては、万が一の事態に備えてトレーラの荷台を除いた運転席のあるところ、いわゆるトレーラヘッドも予備車として走っています。こうした輸送は、車両が大きく一般の通行に影響が出るため、夜の10時から朝の5時までの時間帯しか走れないという制限が付いています。東京湾からフェリーを使って福岡に入り、福岡から鹿児島まで陸路で運び、鹿児島からまたフェリーで種子島へ運ぶという行程です。片道で7~8日間かかるそうです。
この奥井組は、平成9年に国産旅客機YS-11を航空自衛隊入間基地から所沢航空記念公園に移送した実績もある会社です。こうした長大なものを運ぶ特別な車両と、その特別車両を運転する乗務員がいる会社です。
とにかく大きいトレーラです。通常の道路であれば、車線を目いっぱい使ってしまう大きさの特殊車両です。この特殊車両でH-2ロケットの固形燃料のブースタを、関東から種子島まで運ぶというプロ中のプロの仕事を、埼玉県の「奥井組」という会社が20年近くも任せられているということについて、大変誇りに思うところです。これからもH-2ロケットの利用が続く以上は、その固形燃料のブースタの輸送は奥井組に任せられるのではないかと思います。がんばれ、奥井組!