日本経済新聞の土曜日の別刷り紙面「NIKKEIプラス1」は、様々なテーマで「何でもランキング」を掲載しています。10月24日付けの「何でもランキング」では「お燗(かん)でさえる味 秋の夜長を日本酒と」という企画で、専門家が選んだお燗に向く銘柄の全国ランキングが発表されていました。この中で、埼玉県蓮田市の神亀(しんかめ)酒造の「純米酒 神亀」が堂々の4位に入っていました。

 ちなみに1位は本田商店(兵庫県姫路市)の「龍力(たつりき)特別純米 生もと(※)(きもと)仕込み」でした。2位が司牡丹(つかさぼたん)酒造(高知県佐川町)の「船中八策(せんちゅうはっさく)純米超辛口」。3位が大七(だいしち)酒造(福島県二本松市)の「大七 純米生もと(※)」。そして4位が埼玉県蓮田市の神亀酒造の「純米酒 神亀」です。5位が常山(じょうざん)酒造(福井県福井市)の「常山 純米超辛」。6位が飛良泉(ひらいずみ)本舗(秋田県にかほ市)の「飛良泉 山廃(やまはい)純米 囲炉裏酒(いろりざけ)」。7位が一ノ蔵(いちのくら)(宮城県大崎市)の「一ノ蔵 山廃特別純米酒 円融(えんゆう)」。同じく7位が小澤酒造(東京都青梅市)の「澤乃井(さわのい) 純米本地酒」。9位が宮坂醸造(長野県諏訪市)の「真澄 純米酒 奥伝寒造り(おくでんかんづくり)」。そして10位が男山(おとこやま)(北海道旭川市)の「男山 生もと(※)純米」です。

 このランキングはお燗にした時においしいというお酒ですので、酸味やどっしりとしたうまみがある銘柄が選ばれているようです。ちょっと癖のあるお酒と思われたりする場合もありますが、燗にするとおいしいということだそうです。

 燗の温度にもいろいろ種類があるようです。「日なた燗」というのが30度を目安にしており、35度で「人肌燗(ひとはだかん)」、40度が「ぬる燗」、45度になると「上燗(じょうかん)」、50度は「熱燗(あつかん)」、55度で「飛びきり燗」と呼ぶそうです。ただし、純米酒は45度を超すと辛くなるので御注意なさってください。

 居酒屋でもたまに、アルコールがすっかり飛んでしまっているような「あちあち」のお燗が出ることがありますが、ああいうのは失格ですね。お酒の味をこわしてしまいます。製造業であればはねられて商品にならない物を居酒屋で出しているということになりますので、不届き千万ということになるかと思います。それでも我慢して飲んでいるのはすばらしいお客さんだということだと思います。

 8月18日付けのブログ「埼玉の地酒で至福の時間を」にも書きましたが、燗酒には血行が良くなって体が温まる効果があり、アルコールが早く吸収されてほろ酔いになるので飲み過ぎを防ぐことにもなるそうです。これからの季節は、お燗に合うお酒と料理で体を温めたいですね。

(※)「もと」は酉へんに元。