スイスを代表する金融機関であるクレディ・スイスが2015年9月に発表した「RESEARCH INSTITUTE(リサーチ・インスティテュート)」の中に世界の主要国の軍事力ランキングが掲載されていました。報告書のタイトルは「グローバル化の終えんか、あるいは一層の多極化の世界か?」で、グローバリゼーション一辺倒の世界に警鐘を鳴らし、多極化する世界への変化を掲げています。

 この軍事力ランキングは、世界の主要20か国の軍事力を数値化し、相対的に比較した上でランキング化しています。ベースとなる軍事力の比較は、兵員数や戦車、ヘリコプターを含む航空機、航空母艦(日本は保持していないため、護衛艦、機雷艦艇などを評価)、潜水艦などの戦力です。報告書によれば日本はアメリカ、ロシア、中国に続き世界4位にランクされています。ちなみにインドが5位、6位にフランスと続いて韓国は7位となるようです。軍事力の比較は何に力点を置くかで大きく異なります。例えば韓国(ノーカットニュース)の分析では日本のランキングは9位となるそうです。

 日本の軍事力のランキングが高いということを意外と思われる方は多いかもしれませんが、私もこの話は聞いたことがあります。短期戦においては日本の攻撃用ヘリコプターを含む航空機の能力や潜水艦、護衛艦等々の艦船の能力は相当高いと聞いております。いずれにしても、安全保障法制が随分話題になりましたが、こうした基本的な分析があまりなされていないところに、まだまだ日本国内の議論が抽象的な観念論で終始している限界が表れているようです。