防災の考え方に、「自助」、「共助」、「公助」というものがあります。「防災テック」というウェブサイトに分かりやすい説明が載っていました。
「自助」は災害時に自分自身や家族の命は自分たちで守るということです。また、「共助」は町内会や学校区くらいの顔の見える範囲内における地域コミュニティで災害発生時に力を合わせること、そして、「公助」は行政などの公的機関が個人や地域では解決できない災害の問題を解決することを言います。

これらの中で、まず考えなければならないのが「自助」です。
自分の命を守れなければ他の人や地域の安全を守ることもできません。そのためには、防災の知識を身に付けたり、防災グッズを常備しておくことなどが必要です。
災害が発生してから何か行動するのでは遅く、発生する前からしっかりと準備しておくことが大切です。「スポーツの勝敗は試合当日ではなく、試合に至るまでの練習の段階で99パーセント決まる。」などと言われていますが、防災にもそれが当てはまります。

埼玉県では、この「自助」を念頭に、平成27年度から「災害の備えを特別なこと(モシモ)でなく、普段の生活(イツモ)の中で取り組む」をコンセプトにした「イツモ防災」の普及啓発を行ってきました。この一環として、小学生向けに、「地震でできなくなることクイズ」や「家具転倒防止まちがいさがし」など9種類からなる防災教材「埼玉イツモ防災」を作成しています。

この教材が、このたび、公益財団法人消費者教育支援センターが実施する消費者教育教材資料表彰2019において、最も優秀な教材として「内閣府特命担当大臣賞」を受賞しました。「1教材15分程度で取り組める内容で、教員が狙いに応じて臨機応変に活用できる」、「子供たちの興味を引き付けるスライドなどが掲載されており、楽しく学ぶことができる」という点が高く評価されました。表彰式は宮腰 光寛(みやこし みつひろ)大臣出席の下、6月24日(月曜日)に国立オリンピック記念青少年総合センターで行われます。

この教材を活用し、自分や家族など身近な命を守るため、子供たちが楽しく防災を学ぶとともに、将来にわたって埼玉県の「自助」の力をより一層強めていけたら良いなと考えています。

皆さんも、最も大切な3つの自助である「家具の固定」、「3日分以上の水・食料の備蓄」、「災害用伝言サービスの体験」に是非、取り組んでいただくようお願いします。

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