埼玉県では、県内市町村の地域振興やまちづくりに係る「いち押しの取組」を掲載した事例集を作成し、ホームページで公開しています。今年度は初めて、その中から市町村相互の投票などで選ばれた5団体による事例発表と表彰式を行いました。

1月21日(月曜日)に行った表彰式の挨拶で、私は「事業を展開するときはまず二つのことを考えよう」とお伝えました。一つが予算をできるだけ使わない方法、そして、もう一つが地域の力を生かす方法です。

仕事柄、自治体職員は地域の問題に気付きやすく、情報も集めやすい立場にあります。また、信用もあるので関係者に声を掛けやすいという利点もあります。そうしたメリットを生かし、地域の力で課題を解決するための「仕掛け」を考えることが大切です。

例えば、県の防犯活動ではボランティアや事業者の皆様に「地域防犯の目」として活躍いただいています。見回り活動や日常の事業活動の中で目を配っていただくことで、住宅侵入窃盗認知件数は平成16年から83パーセントも減少しました。

限りある予算や人員で新たな事業を行うには、こうした工夫が必要です。特に地域振興やまちづくりは、多様な人に関わっていただくことで思いがけない発想や大胆なアイデアが生まれる可能性も広がります。文字どおり「地域ぐるみ」での取組が、成功への近道です。

自治体職員の役割は、地域を元気にするための火を起こすことです。そして、上手く燃え始めたら少し離れて見守ること、炎の勢いが弱まってきたら風を送って盛り上げることも大切な役割です。

各自治体が競い合い、良い取組は参考にして更にバージョンアップすることも重要です。オール埼玉で知恵を絞り、埼玉県をより一層元気にしていきたいと思います。