お正月といえば、子供たちが何より楽しみにしているのは「お年玉」だと思っていましたが、どうやら最近の子供たちはあまり小遣いを欲しがらなくなっているようです。

博報堂生活総合研究所が20年にわたって行っている「子ども調査(小4から中2)」によると、1997年当時は8割近くの子供が「お小遣いをもらっている」と回答していました。しかし、今ではそれが6割近くまで減少し、中でも「毎月決まった金額をもらっている」という子供は半数を下回っているということです。
それでは彼らがどうやって欲しいものを手に入れているかといえば、おじいちゃん、おばあちゃんにねだったり、誕生日やクリスマスなどの機会に買ってもらったりしているといいます。

こうした状況の背景には、スマートフォンなどの普及があるといいます。つまり、スマホや携帯ゲームの端末を手にした彼らの日常は、インターネットを通じた情報やコミュニケーションによってほぼ埋め尽くされています。その結果、興味の方向性が「モノ」に向かわなくなっているのではないかということです。
これは子供ばかりでなく若い世代全体にいえることだと思います。こうした世代は、とりあえず生活に困らないだけの収入と、個人的な趣味に使えるお金があれば、ブランドやファッション、車などにはこだわりません。無理をしてガツガツ稼ぐよりも、好きなことをしてゆったり暮らしたいという傾向があるようです。

家計が苦しくてもスマホの料金だけはどうしても削れないという話をよく耳にします。お金がない中でも、現代人にとって情報やつながりというのはそれほど重要で、衣食住以上に欠くことのできない生活の重要な要素となっているということかもしれません。