11月28日(水曜日)、「荻野 吟子(おぎの ぎんこ)の生涯(仮題)」という劇映画の製作に当たり、映画監督の山田 火砂子(やまだ ひさこ)さんが県庁にお越しになりました。
荻野 吟子は、明治期に医師になられた方です。女性が実質的に医師の役割を果たしていた例はいくつかありますが、公認の医師としては日本最初となります。埼玉県旧妻沼町(現在の熊谷市)出身で、県では塙 保己一(はなわ ほきいち)、渋沢 栄一(しぶさわ えいいち)と並ぶ埼玉ゆかりの三偉人に位置付けています。
こうしたことから、県では平成17年度に「さいたま輝き荻野吟子賞」を創設し、男女共同参画社会に貢献した個人や団体を表彰してきました。日本女医会においても、女性の地位向上に貢献した女性医師に贈る「荻野吟子賞」が創設されています。
山田監督も、荻野 吟子を女性の地位向上に尽くした先駆者と評価されておられます。東京医科大学の入試で女性の受験者が不利に扱われた問題を受け、今の医学界に一石を投じようということでメガホンを取る決意をされたと伺いました。
これまでにも、山田監督は三浦 綾子(みうら あやこ)さん原作の「小林 多喜二(こばやし たきじ)の母」や、満蒙開拓団の中で中国残留孤児を救ってきた方を題材にした作品「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」など、大変ヒューマニズムに溢れたすばらしい作品を手掛けてこられました。埼玉県の偉人である荻野 吟子の生涯を描いた映画が大ヒットすることを期待して、私も大きな声援を送りたいと思います。