NHK総合テレビで毎週水曜日に放送している「ガッテン!」という番組で、健康寿命を延ばすのに最も効果的なのは、「禁煙よりも、運動よりも、肥満解消よりも、人とのつながりをつくることだ」ということが紹介されました。
人とのつながりが少ないと心臓病や認知症、筋力低下を引き起こし、結果として「早死にリスクが50パーセント高くなる」というアメリカの調査結果が発表されるなど、孤独が体の衰えを加速させる最大の要因であることが分かってきたそうです。
世界的にインパクトを与えたのが、アメリカで発表された148の研究(対象者およそ30万人)を解析した結果です。長生きに影響を与える要因を調べたところ、肥満解消、運動、禁煙よりも「人とのつながり」の影響が大きかったとのことです。
今年1月に「孤独担当大臣」が誕生したイギリスでは、成人の5人に1人が孤独だという話があります。ロンドン大学では、50歳以上の男女6,500人の「人とのつながり」を調べ、7年間追跡を行いました。すると、人とのつながりが少ないグループの方が死亡率が高いことが分かったそうです。また、人とのつながりが少ないと体内の炎症が高まることも分かってきたようです。
このような研究結果を受け、イギリスでは「孤独撲滅キャンペーン」を展開し、テレビCMやポスターなどを通して孤独が健康に悪影響を及ぼすことを訴えています。
埼玉県でも健康寿命の延伸に取り組んでおりますが、「人とのつながり」の及ぼす効果も大きいと思います。
個人差もあるのでしょうが、人とのつながりの多い方々は当然、日々活動的になります。「今日、行くところがある」と、「今日、用がある」、すなわち『きょういく』と『きょうよう』があり、さらにそうした日々の活動が運動となって、結果として筋力が貯まる『ちょきん』につながるということになります。
イギリスに孤独担当大臣がいることには驚きました。日本には一億総活躍担当大臣が置かれていますが、孤独担当大臣とでは、どちらが重いでしょうか。