10月4日(火曜日)に閣議決定された2016年版の厚生労働白書に、「やっぱり」という内容がありました。世界保健機関(WHO)は65歳以上を高齢者と定義していますが、日本においては必ずしもその認識はあてはまらないようです。
厚生労働省が2月にインターネットを通じて40歳以上の男女3,000人を対象に調査を実施しました。「何歳から高齢者になると思うか」を聞いたところ、最も多かったのが「70歳以上」の41.1パーセントで、次いで「65歳以上」が20.2パーセント、「75歳以上」が16.0パーセント、「60歳以上」が9.8パーセントと続いたそうです。6割近い人たちは、70歳以上を高齢者と見ている感じになります。したがいまして、65歳以上を高齢者としているWHOの定義は、日本人の認識においては必ずしも当てはまらないということになります。
また、今回の厚生労働省の調査では65歳を超えても働いている人たちが増えていることも明らかになりました。2015年の65歳以上の労働力人口は、前年から48万人増加して744万人となったそうです。労働力人口の総数に占める割合は11.3パーセントで、1970年と比べると約2.5倍に増えています。
内閣府の2013年の調査でも、「何歳まで働きたいか」という問いに対して、最も多かったのは「働けるうちはいつまでも」の29.5パーセントで、次に多かったのが「70歳ぐらいまで」で23.6パーセントだそうです。少なくとも70歳ぐらいまでは働きたいと考える人が、50パーセント以上いるということになるのかもしれません。
埼玉県が進めている「シニア革命」は、一言でいえば、まだまだ元気なシニア世代を65歳以上という年齢だけで高齢者と決めつける社会の在り方を変えていこうというムーブメントです。年齢に関係なく元気なうちは、仕事に、ボランティアに、地域活動に、あるいは趣味の活動にと、積極的に社会と関わり続けていただける埼玉にすることで、一人一人のシニア人生を一層充実していただき、それを社会の活力にもつなげていくというものです。高齢化が進む日本のモデルとして、「健康長寿埼玉プロジェクト」とともに一生懸命取り組んでいます。