現在開会中の県議会で「肝炎ウィルス検査の受診率向上について」の一般質問がありました。

「肝臓がんはお酒の飲み過ぎが原因」と思っている方が多いのではないでしょうか。私もそう思っていました。しかし、実は肝臓がんの原因の8割以上は肝炎ウィルスの感染によるものだそうです。

現在、日本人の40人に1人は肝炎ウィルスに感染していると言われており、まさしく国内最大級の感染症です。主に血液を介して感染するそうです。肝炎ウィルスに感染しても必ずしも肝臓がんになるわけではありませんが、自覚症状がなく病気が進行することがあるため、現在健康な方でも検査を受けてみる必要があります。

特に、昭和63年1月までは、集団予防接種で注射器の使い回しが行われていて、それが原因で多くの方が感染したとも言われますので、昭和生まれの方は是非一度、肝炎ウィルス検査を受けてください。

埼玉県では保健所や県内の1,400以上の医療機関で肝炎ウィルス検査を無料で受けられるようにしています。市町村でも検査を行っておりますし、職場の健康診断で検査できる場合もあります。しかしながら、まだまだ検査を受けていない方が多いようです。

検査の結果、治療が必要となった場合は医療費の助成制度もあります。最近は治療効果の高い画期的な新薬が開発され、ウィルス性肝炎は治る時代になったと言われています。肝炎ウィルスを早期発見し、早めに治療を開始すれば、かなりの肝臓がんは防げます。まずは検査を受けてください。

もっとも、肝炎ウィルスに感染していなくても、お酒の飲み過ぎからアルコール性肝炎、アルコール性肝硬変になり、そこから肝臓がんになるケースこともあるそうです。

これからお酒のおいしい季節となります。検査結果が陰性でも、やはり飲み過ぎには御注意を。