5月11日(金曜日)に、日中知事省長フォーラムが3年ぶりに開催されました。過去に中国で1度、東京で1度開催したところでありますが、今回は、北海道札幌市での開催となりました。
札幌市に決まった背景には、今回特別にこのフォーラムに出席された中国の李克強(り こくきょう)首相が、北海道の視察を希望されたためとも聞いています。
また、李首相をお迎えするため、安倍総理も出席するということになり、日中両国の首相が出席する極めて豪華なフォーラムになりました。
一方、フォーラム終了後に、安倍総理が案内するという形で李首相の北海道視察がなされたので、結果的にそちらの方が大きなニュースとなり、フォーラムそのものの扱いは小さくなってしまいました。そういう点では残念でした。

中国側からは、議長役の李小林(り しょうりん)中国人民対外友好協会会長をはじめ、尹力(いん りき)四川省長、許勤(きょ きん)河北省長、唐一軍(とう いちぐん)遼寧省長、王文涛(おう ぶんとう)黒竜江省代理省長、呉忠琼(ご ちゅうぎょう)江西省副省長が出席されました。
また、日本側からは、議長役である私のほか、開催地である高橋 はるみ(たかはし はるみ)北海道知事、達増 拓也(たっそ たくや)岩手県知事、吉村 美栄子(よしむら みえこ)山形県知事、川勝 平太(かわかつ へいた)静岡県知事、石井 隆一(いしい たかかず)富山県知事、平井 伸治(ひらい しんじ)鳥取県知事といった知事が出席して意見交換の場を持ちました。

日本側は比較的、国とは別の形での知事会あるいは地方自治体が独自の交流を行っていますが、中央集権的な考え方の強い中国側では、地方はよくも悪くも中央の意向に沿った形で動いています。このため、中国では、国同士がギクシャクしているときは、地方も中央に遠慮して交流しないことになりますし、逆に国同士が友好ムードになれば、地方も熱心に交流するというのが実情です。

フォーラムでは、それぞれの県・省が現在までの交流の実績やこれからの交流の在り方などについて発表し、その後、意見交換をしました。
国と国との間では国益がぶつかるために、困難なことが多くなったりしますが、地方は直接利害がぶつかったりはしません。そうした部分を生かして正に草の根交流を確かなものにしながら、底流において友好を築いていくということが極めて重要だと思います。
いかに優れた肥沃な土地でも、常に耕しておかなければ良い作物を実らすことはできません。そういう意味での土を耕す役目は地方にあるのかもしれません。
今回は、やや時間不足の感がありましたが、このような機会を一つ一つ積み上げることで、地方としての役割を果たしていきたいと思います。