11月27日(月曜日)の毎日新聞夕刊に、福本 容子(ふくもと ようこ)論説委員のコラム「ウラから目線」が掲載されていました。
タイトルは「選ばれない国」。高学歴やプロフェッショナルな外国人が「働きたい国」に選ぶ順位で、日本はアジア11か国中最下位、世界の63か国の中でも第51位という結果が出たそうです。調べたのは、スイス・ローザンヌにある国際経営開発研究所(IMD)というビジネススクールです。有能な人材を確保する要件を30項目選び、それぞれの評価を総合して国際ランキングにした2017年版のデータです。
総合評価では日本は第31位と全体の真ん中でした。しかし、「海外の頭脳を引き付けるビジネス環境があるか」、つまり彼らが働きたい国かを問う項目では、中国(第34位)、インド(第36位)、韓国(第48位)よりも低く、アジア勢で最下位となっています。ちなみに、この項目でアジア第1位はシンガポール、第2位は香港だそうです。
働き手の人口が減っていく中、国内の頭脳不足はもっと深刻になるのではと言われています。花形成長分野のAI(人工知能)に限らず、何十万人単位で足りなくなるとの予測もあります。それにもかかわらず、プロフェッショナルな人材から日本では働きたくないと思われていること自体、やはり「課題のある日本」ということになるのでしょう。特に、英語など言語のスキルや管理職の国際的な経験に課題があるとされているようです。
福本 容子論説委員の嘆きのコラムを読んで、私もびっくりしました。日本はこんなにもプロフェッショナルが働きにくい国だったのかと。
日本の文化、歴史、伝統などについて海外の評価は高いものの、働く場としての日本の位置付けが極めて低いということは、グローバル社会の中ではやはり課題があると思います。