5月31日(水曜日)に2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた関係自治体等連絡協議会が開催されました。この協議会は森喜朗大会組織委員会会長、丸川珠代五輪担当大臣、小池百合子都知事ほか、都外開催競技の行われる関係自治体の知事や市長の皆さんで構成されています。
この日、大事なことがやっと決まりました。大会開催に当たっての役割や費用分担の基本的な方向です。
これまでも大会競技場の仮設整備の費用負担について、肝心の小池都知事からも森会長からも何もお話がないままに、数字だけが飛び交って、いつの間にか、関係自治体が負担するという話になっていることがありました。
これは立候補ファイルで明らかになっている「仮設費用は大会組織委員会又は東京都の負担」という原理原則に反しますので、関係自治体の知事、市長で「原理原則に立ち返ってください」と要望したところ、先月、都知事が「都が負担します」と表明されたばかりでした。
ところが、また突然、輸送やセキュリティなどの大会の運営費用について関係自治体の負担金額が400億円とか350億円という話が報道を通じて出てきました。正直言って、「またか」という感じで受け止めておりました。
さすがに、こんなことを繰り返しているようでは、本当に東京オリンピック・パラリンピックの準備ができなくなります。
こうした危機感の中で、協議会が開催されたわけですが、事前に東京都から示された原案では、埼玉県におけるサッカーやバスケットボールなど都外で開催する競技に係る運営費用350億円について、関係自治体が負担すると記載されていました。
しかし、そもそも立候補ファイルや大会開催基本計画の中に輸送やセキュリティなどの運営費用は、組織委員会、東京都の負担と明記されています。
そこで、埼玉県としては、「合意文書の中に、立候補ファイルや大会開催基本計画の原理原則がうたわれていなければ『ダメだ』」ということで東京都に押し返しました。その結果、最終的に合意文書の前文に「立候補ファイル及び大会開催基本計画に示された役割を基本として」という文言が付け加えられました。今後は、この原理原則を基本として、必要なことに関して整理・精査を行っていくことで合意をされたところです。
関係の知事、市長の皆さんたちも、これ以上もめては良くない。とにかく早く、気持ちを一つにして「頑張ろう」という空気が、満ちあふれていました。
今後は、関係自治体がしっかりとこの原理原則に基づいて、東京都や大会組織委員会を補佐しながら、東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて努力したいと思い、その気持ちを表明してきたところです。
正直なところ、会議に参加した皆さんとしては、やっと元に戻った、原点に戻ったという感じです。