5月15日号の「プレジデント」に、「世界のビジネスマンの休日比較」というコラムがありました。記事によれば、長時間労働が社会問題になるほど休めないイメージが強い日本ですが、実は祝日の日数は諸外国と比べて群を抜いて多いということでした。記事に掲載されている世界12か国のランキングでは、バカンス大国と言われるフランスが7位であるのに対して、日本は1位でした。ちなみに法定上の祝日数は年間16日です。
それでは、有給休暇についてはどうかといいますと、1位のフランスは付与日数が30日で消化日数も30日。なんと、消化率100パーセントであります。
一方、日本は付与日数20日に対して消化日数は10日で、下から2番目の11位。消化率は50パーセントにとどまっています。
なぜ、日本人は有給休暇を取らないのか。その原因の一つに、休むことに対する「罪悪感」があるとも言われています。有給休暇の取得に対して罪悪感を持つ人の割合は、フランスでは約2割と少数派であるのに対して、日本は約6割という結果が出ています。つまり、日本人の多くは後ろめたさを感じながら、あるいは周囲に遠慮しながら有給休暇を申請しているようです。
有給休暇の取得日数の多少よりも、むしろこの「罪悪感」の方が問題ではないかと思います。有給休暇を有効に活用し、かつ楽しむためにも、気持ちよく有給休暇を取得ができる職場環境づくりが大切ではないでしょうか。
近年、「働き方改革」や「ワーク・ライフ・バランス」を実現する文化が、職場の中に根付く兆しが見えてきています。「しっかり働き、しっかり休む」という文化が作られれば、もっと旅行業やホテル業などが活発になり、消費も高まり、そして精神のバランスも取れ、社会の活力もプラスになるのではないかと考えられます。さてさて、皆さんの有給休暇に対する考え方はいかがでしょうか。