棚田というものを御存じでしょうか。傾斜地に小さな区画の田んぼが階段状に連なる美しい田園風景は、正に日本の原風景です。
埼玉県内にもいくつかありますが、中でもとりわけ美しい棚田を紹介するとすれば、横瀬町の「寺坂棚田」ではないかと思います。
武甲山を背景に、水をたたえ、緑の芝生のように水田が広がる光景は、何とも言えません。初夏の田植えから初秋の黄金の稲穂まで里山の風景が四季を通して楽しめるそうで、大変立派な棚田が継承されています。

全体面積が約5.2ヘクタール、うち水田は約4ヘクタールであります。県内で最大級の棚田であることは言うまでもありません。
平成13年頃から、耕作放棄地の増加により荒れた棚田を再生する活動が地域の住民によって進められてきました。平成24年に、それまで活動していた4団体が連携強化のため寺坂棚田保存会を設立して、現在も積極的な保全・活用活動を行っておられます。

毎年7月には、約600個のかがり火と二胡(にこ)などの演奏によって幻想的な空間を楽しめる「寺坂棚田ホタルかがり火まつり」が開催され、大勢の来場者でにぎわいます。さらに、9月には150万本もの彼岸花が咲き誇り、すばらしい光景が広がるそうです。
今年の「ホタルかがり火まつり」は、6月30日(金曜日)と7月1日(土曜日)に開催されます。寺坂棚田は、西武鉄道の横瀬駅から徒歩で約15分のところです。是非一度お訪ねください。すばらしい景色を堪能していただけると思います。