何となく、パッとしないと思われている日本経済ですが、平成15年度から25年度までの47都道府県別の県内総生産(名目)の増加額を調べたデータがあります。この間にリーマンショックや東日本大震災がありましたので、総じて各都道府県経済は、振るっておりません。35都道府県がマイナスで、プラスの県は12だけであります。

金額を1番伸ばしたのが愛知県で1兆6,733億円。埼玉県が2番目で7,675億円。3番目が三重県で4,832億円。4番目が福岡県で4,126億円です。
マイナス額の大きい方から見ていきますと、経済規模が大きいので、割合としては決して大きくはありませんが、東京都の1兆7,004億円減、1.8%のマイナスであります。大阪府が1兆6,116億円減で、マイナス4.1%。北海道が1兆5,370億円減でマイナス7.8%。長野県が5,657億円減でマイナス6.8%。静岡県が5,318億円減でマイナス3.2%。意外に神奈川県が6番目に悪く、5,213億円減で1.7%のマイナスです。こうしてみてみますと地域ブランド力の高い北海道や長野県、東京都などが意外と振るっておりません。また、東京都、神奈川県、大阪府といった大所がマイナスになっています。

私はこの原因の一つに、日本の産業構造の転換があるのではないかと考えています。つまり、年々重厚長大型の産業から、技術集約型や、あるいはサービス産業型の産業に移ってきています。したがって、重厚長大産業の強い県が経済も強いという状況では必ずしもなくなっています。事実、重厚長大の時代であった1980年(昭和55年)には世界の港湾別コンテナ取扱個数ランキングで、4位に神戸、13位に横浜、18位に東京などが入っていましたが、2014年(平成26年)には、一番上位の東京でも28位、横浜は48位、なんと神戸は56位まで順位を落としています。

一方、サービス産業化が進み、例えばカタログやインターネットで商品を買い求める人が急増しています。流通面において、陸路の結節点になるようなところが有利になっているのではないかと思われます。
そういう意味で、東海地方の結節点であり、名古屋を有する愛知県。そしてまた、関東の中央にあり、東京外環道、圏央道、関越道、東北道、常磐道と高規格の高速道路に囲まれた本県が有利になってくるのかもしれません。
間違いなく重厚長大の時代が変わりつつあるということが、この直近の47都道府県の元気さというところにも表れているのではないかと思われます。