10月11日(火曜日)に「行田足袋(たび)ブランド力強化事業研究会」の皆さんが、小川雅以(おがわ まさゆき)会頭をはじめとする行田商工会議所の皆さんと共に県庁にお越しになりました。10月8日の「足袋の日」に向けて、イベントや展示会等で着用する半纏(はんてん)を作製されたとのことで、私に一着プレゼントしてくださいました。今、行田市がいろいろな意味で注目されています。

例えば、さきたま古墳群の中にある丸墓山(まるはかやま)古墳は日本最大の円墳です。豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)の北条攻めの際、石田三成(いしだ みつなり)率いる豊臣軍が、北条方の成田氏の居城であった忍(おし)城を攻めた時に陣地としたこともあり、映画「のぼうの城」で一躍有名になりました。

もとより、さきたま古墳群は関東エリアのみならず、日本屈指の古墳群であります。稲荷山(いなりやま)古墳から発見された国宝の金錯銘(きんさくめい)鉄剣は、刻まれた文字を通して空白の4世紀から5世紀を浮かび上がらせた考古学上、大変貴重な資料となっています。

また、古代蓮の里としても有名です。建設工事の際に偶然見つかった1400年前から3000年前のハスの種子が大きく花開き、シーズンともなると行田市古代蓮の里公園は多くの人でにぎわいます。

さらに、最近は田んぼアートでも有名です。色の違う稲をデザインに沿って植えることで、様々な絵が田んぼに浮かび上がります。世界最大の田んぼアートとしてギネス世界記録にも認定されています。

今年7月には、人気作家の池井戸潤(いけいど じゅん)さんが行田の足袋メーカーを主人公にした小説「陸王」(りくおう)を出版されました。その小説を執筆するにあたり取材に訪れたのがきねや足袋株式会社で、先日県庁にお越しになった研究会のお一人でもあったわけです。近年、日常的に和服を着る人が大きく減り、足袋も厳しい状況が続いています。しかし、足袋をはだし感覚の和製ランニングシューズとして捉え、マラソンやランニング向けの新しい需要を開拓できないかという発想で開発されたのが「MUTEKI」(むてき)という足袋型シューズです。

かつて全国の足袋生産のおよそ8割も占めていた日本一の足袋生産地としての強みを現代に生かし、新しい「行田足袋」のブランドをつくっていこうと、事業者の皆さんたちが研究会を作り、いろいろとアピールをされているところに大いに頼もしさを感じました。