平成16年の県内刑法犯認知件数は18万1,000件を超え、過去最も治安が悪い状況でした。知事に就任して間もない私は、この治安回復のためには警察官の増員が一番重要だと思いました。
それ以来、国に要望して約2,000人の増員に成功しました。人数としては日本一の増員を埼玉県は勝ち取ったわけですが、それでも対人口比では埼玉県の警察官の数は日本で一番少ない状況でした。そこで私は警察官以外の民間の防犯ボランティア団体を育成し、犯罪を予防することに力を入れることにしました。この「わがまち防犯隊」という愛称の民間ボランティア団体は、平成16年4月の段階で515団体でしたが、現在は5,812団体と11倍を超えるまでになりました。全国の総数が約4万8,000団体ですので、その8分の1が埼玉県にあるという状態になっています。
また、民間事業者と「埼玉県防犯のまちづくりに関する協定」を締結し、何か不審な点があれば連絡・通報していただくような仕組みをつくりました。その数も96団体に上っています。こうしたこともあり、平成27年の県内刑法犯認知件数は約7万3,000件と、ピーク時の平成16年から約6割も減らすことができました。犯罪はどうしても都市部で多くなりますが、全国の人口上位10都道府県の中で、埼玉県は平成16年と比べた犯罪減少率が上位2番目から3番目で推移してきました。しかし、ここ2年ほどは犯罪件数は減っているものの、平成27年の犯罪減少率は5番手にとどまっています。
そこで、10月11日(火曜日)に開かれた「平成28年埼玉県防犯のまちづくり県民大会」を機に、改めて防犯の活動を大きく展開しようということで気合を入れているところです。防犯ボランティアなど、当日お集まりになった約1,100人の皆さんとともに、力強く防犯のまちづくり「再起動」を宣言する大会になったものと認識しています。県民の皆様、関係団体の皆様には改めてお力添えをよろしくお願いいたします。