昨年は、本県ゆかりの梶田隆章(かじた たかあき)先生と大村智(おおむら さとし)先生のノーベル賞ダブル受賞に沸きましたが、このところ日本人の自然科学部門の受賞者が続出しております。そうしたところ、ノーベル賞にちなんで面白い記事があるとスタッフに教えてもらいましたので、このブログで紹介することにしました。記事は昨年10月12日付けの河北新報オンラインニュースです。

 皆さんは「ノーベル街道」と名付けられた道があるのを御存じでしょうか。国道41号の一部、富山市から岐阜県飛騨市、高山市に至る90kmの区間がそう呼ばれているそうです。ノーベル物理学賞を受賞された梶田先生が、ニュートリノの研究を行ったスーパーカミオカンデ(岐阜県飛騨市神岡町)もこの沿線に位置しており、再び脚光を浴びているとのことです。

 「ノーベル街道」という称号は、2002年(平成14年)に、富山市出身の田中耕一(たなか こういち)さんがノーベル化学賞を、梶田先生の恩師に当たり、飛騨市神岡町の実験施設で研究に打ち込んだ小柴昌俊(こしば まさとし)さんがノーベル物理学賞をダブルで受賞されたのを機会に、富山県が名付けました。お二人の他にも、化学賞(2000年、平成12年)の白川英樹(しらかわ ひでき)さんと生理学・医学賞(1987年、昭和62年)の利根川進(とねがわ すすむ)さんもそれぞれ高山市、富山市で幼少期を過ごし、この街道にゆかりがあるそうです。この街道はかつて富山湾で水揚げされたブリを塩漬けにして、岐阜や長野に運ぶルートで、出世魚のブリにあやかって「ぶり街道」、「出世街道」とも呼ばれたそうです。

 神岡町の実験施設の存在が大きいのかもしれませんが、富山県の担当者は「街道の豊かな自然が、学術活動に適しているのでは」と言っており、自然現象への深い関心が創造的発想を生み、「出世街道」を歩ませているのでしょうか、と記事は結んでいます。
地域をPRする上で、ノーベル賞と道路を関連付ける着眼点はユニークで面白い発想だと思いました。