新聞やテレビの報道で御存じの方も多いかもしれませんが、心温まるニュースがありましたので私からも御紹介します。こんな話です。
4月24日(水曜日)、沖縄の高校生が伯父の告別式に参列するために与那国島に向かったものの、モノレールの那覇空港駅で島までの往復飛行機代を入れた財布を無くしたことに気付きました。高校生が困っていたところ、同じモノレールに乗り合わせていた見知らぬ男性が、飛行機代6万円を渡して去っていったそうです。気が動転していた高校生は、男性の名前も連絡先も聞いていませんでした。高校に相談し、地元紙に体験を取り上げてもらって恩人を探し始めました。
お金を渡した男性は、インターネットに掲載された記事を読んだ同僚から教えてもらって、高校生が自分を探していることを知りました。高校に連絡し、5月21日(火曜日)、約1か月ぶりに再会を果たしたそうです。
高校生は「お礼が言えて本当に良かった」と喜びました。財布はその後見つかったとのことで男性にお金を返すとともに、授業で作ったアルミ製の文鎮に男性の名前や「感謝」という文字を添えて贈ったそうです。
この男性は、沖縄県那覇市出身で、現在、埼玉県三芳町の病院に勤務する医師の猪野屋 博(いのや ひろし)さんです。
飛行機の出発時刻が迫る中、高校生が頭を抱え込んでモノレールの車内に座り込んでいたところに、猪野屋さんが「どうしたの」と声をかけたことからこの話が始まったそうです。
猪野屋さんは医師の習性で苦しんでいる高校生を見て、あるいは病気かもしれないと思い、放っておけなかったのかもしれません。猪野屋さんの優しさが縁を結びつけたのかなと思います。ほのぼのとした記事で大変うれしくなりました。