2月12日(火曜日)のブログに「筋肉」のことを書きましたが、今日は「骨」についてのお話です。
強くしっかりとした信念を持つ人のことを「骨のあるやつ」と言ったりします。また、政府の経済財政に関する基本方針は「骨太方針」と名付けられています。こうした例を見ると、どうやら骨という言葉には何らかの「意思」が込められているような気がします。

実は言葉だけではなく、実際の骨も体に「意思」を伝えていることが分かっています。それが、昨年1月15日(月曜日)のブログでも紹介した、若さを生み出すメッセージ物質です。高齢の方が骨折して長く入院すると認知症になったりすると言われていますが、それは骨の密度である骨量が下がり「若返りのメッセージ」が出なくなるからだということです。

自転車選手として全米選手権でも準優勝した経験を持つある男性は、筋肉もりもりの体格で悪いところは何も無いと思われたところ、なんと骨粗しょう症であったことが分かりました。この方は自らを鍛えるため、ありとあらゆるところを自転車で移動し、家の中以外ではほとんど歩いていなかったそうです。このことが、骨を弱くした原因でした。

なぜなら骨には、歩いたり走ったりして一定の刺激を与えることで強くなるという性質があるそうです。ただ単に「カルシウムを食べています」、「時々日光に当たっています」だけではなくて、強く歩く、あるいは軽くジャンプするなどの衝撃が必要だと言われています。
ちなみに背骨の主要部である椎体(ついたい)は、正常であれば600キログラムの荷重に耐えられるそうです。しかし、骨粗しょう症の人は3分の1の200キログラムしか耐えられないといいます。しかも、大きく転倒したりすると自分の体重の6.5倍から9倍ほどの重さが加わるとのことです。体重50キログラムの人は6.5倍だとすると325キログラムですので、600キログラムに耐えられる骨であれば大丈夫です。一方、骨粗しょう症の方は骨折するということになります。

このように、骨が弱いと様々な問題が生じます。高齢者は特にそうです。骨は3年から5年ほどでほとんど新しく入れ替わるそうですので、いくつになっても歩いたり、少し走ったり、軽くジャンプしたりして何らかの衝撃を骨に与える動きをすることが大切です。また、いざ転んだときに骨を守る身のこなしをするためには筋力も必要です。骨と筋力は、相互に補い合う非常に重要なものになっているようです。