国が面白い制度をスタートさせました。県及び市町村が実施する国民健康保険事業において、頑張ったところに交付金を多く出す保険者努力支援制度です。
この制度の都道府県への交付額は、平成30年度の国の予算総額で500億円です。評価指標ごとに点数化して、その合計点と加入者数に応じて、各都道府県への交付額が決定されます。
評価は大きく3つの項目で行われます。第一に、市町村の取組状況についてです。100点満点で、指標ごとに20点や10点が割り付けられています。例えば、特定健診や特定保健指導などをよく実施しているか、糖尿病重症化の予防などに取り組んでいるか、個人の健康づくりを進めているか、後発医薬品の使用割合の高低、国保税の収納率の高低などです。頑張って取り組んでいる市町村が多い都道府県ほど高得点となります。
第二に、都道府県の医療費水準についてです。50点満点で、医療費水準が低いランクの都道府県に20点が配点される一方で、たとえ医療費水準が高くても努力した結果、改善状況の良いところにより大きな30点が配点され、自治体の努力が評価される仕組みです。
第三に、医療費適正化等に関する都道府県の取組状況についてです。60点満点で、糖尿病重症化予防に20点、市町村への助言指導に10点、法定外繰入の削減に30点となっています。
これらを合わせて210点満点で評価されます。そこで、埼玉県の得点ですが、合計で149点。都道府県の順位では良い方から数えて7番目。まずまずの成績です。もう1点だけ高ければ、5位に並んだところでした。上位は、第1位が新潟県、第2位が沖縄県と富山県、第4位が愛知県、第5位が広島県と福岡県となっています。ちなみに、近隣都県の状況ですが、東京都が133点で第25位、神奈川県が120点で第35位、千葉県が105点で第44位です。
頑張ったところにより多くお金を出すという新しい仕組みですので、これから競争マインドが高まるものと思います。