私のところには、毎日毎日、職員が報告書や説明資料を持ってきます。そして私が目にするこうした報告書や資料はどうしても、出来の良いものと悪いものとに分かれてしまいます。

6月8日号の「日経ビジネス」に「孫正義を10秒で納得させる資料とは」という記事が掲載されていました。ソフトバンクの孫正義(そん まさよし)社長の社長室長を務めた三木雄信(みき たけのぶ)ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト株式会社代表取締役社長がインタビューに答えられたものです。私が日頃感じているポイントもいくつかありましたので御紹介いたします。

1.孫社長は、資料にはグラフや写真などのビジュアル的要素を付けることが大切だと指示されるそうです。相手の興味を引くことが大切で、まずは「見たい」「聞きたい」と思わせることが大事だということです。

2.10秒で孫社長に納得してもらうために、数字は必須だそうです。問題の本質を把握するためには数字による裏付けが欠かせないとのことです。

3.幹部が事業の将来性を的確に判断できるよう、部下が数字を示すときにはその数字の意味をきちんと説明できることが大切だそうです。

4.例えば、商品の販売促進キャンペーンに関する企画書を持っていくと、孫社長から、プランを1000パターン作れと必ず言われるそうです。これは、1000パターンの全てを資料に示せという意味ではなく、「いろいろ検討した結果、自分はこの案でいきたいのです」と説明できることが重要だそうです。

5.企業の成長に貢献する資料を作るには、目線を二段階ほど上げて作るとよいそうです。例えば自分が課長であれば、部長ではなく更にその上の執行役員や取締役の目線で資料を作ると良いものができるそうです。

このお話はどこの職場にも通じることではないかと思いました。特に資料の目線を二段階上げて作れとのお話は私も同感で、職員にもよく言っていることです。ソフトバンク流の資料作成術、皆さんも実践してみてはいかがでしょうか。