9月1日(金曜日)午前11時に成田を発ち、ドイツのフランクフルトを経由して、ブラジルのサンパウロに着きました。この間、実に30時間です。現地時間では9月2日(土曜日)午前5時前でしたので、一旦、ホテルで休憩し、午前10時くらいから活動を開始しました。
まずは、開拓先没者慰霊碑を訪問いたしました。この「先没」の「せん」は、いわゆる戦争の「戦没」ではなく、「先に没した人」の霊を慰めるための慰霊碑であります。この慰霊碑に刻まれた文字は、当時の田中 角栄(たなか かくえい)首相が書かれたものです。正に、開拓一世、二世として大変な御苦労があった人たちの慰霊碑であり、何やら込み上げてくるものがありました。
その後、京都の桂離宮を模した日本館を視察いたしました。ここには、天皇皇后両陛下や皇太子殿下、安倍 晋三(あべ しんぞう)首相や小泉 純一郎(こいずみ じゅんいちろう)元首相などが植樹された樹木や記念碑があり、日本から多くの方が来ていることが分かりました。
そして、すごいことに「サイタマ公園」という名の公園を視察いたしました。地元の皆さんが地域美化推進団体を作り、この「サイタマ公園」という、多分、世界中でここブラジルだけにある、埼玉の名を冠した公園を管理していました。昨年、埼玉県議団が訪問されたとき、色が剥げてきた記念碑を出席者全員で白いペンキで塗り直したそうです。
そして、日本文化を紹介する施設として非常に評判の高いジャパンハウスを視察させていただきました。ありとあらゆるところに日本人のきめ細かな芸術文化のセンスが展示されています。土日などは毎回5,000人を超える人たちが見学に来るそうです。広く日本の文化を知っていただくために入場料はなんと無料です。なかなか人気の場所になっています。
そして、この日の夜には、「埼玉県人移住100周年、在伯埼玉県人会創立60周年記念式典」の前夜祭ということで関係の皆様の代表の方達が集まって交流会を行いました。
約2億人のブラジル国民の中には、約190万人の日系ブラジル人の方がおり、しかも、サンパウロ州の最高学府であるサンパウロ大学の構成比率は、日系人が16パーセントという驚異的な数字だそうです。日系人の教育力の高さなどが証明され、政財界、法曹界、教育界に多くのリーダーを輩出していることなども教えていただきました。
(次回に続きます)