やきとりと言えば何と言っても本県の東松山市であります。東松山市のやきとりは豚のカシラ肉と長ネギを串刺しにして炭火で焼き上げ、辛い味噌だれをつけて食べる独自のスタイルです。カシラ肉は、ほほとこめかみの部分の肉のことです。誕生したのは昭和30年代で、当時、肉はまだ高級品で庶民にはなかなか手の届かなかった時代です。

東松山のやきとりは、食肉としてはあまり使われず、加工食品用だったカシラ肉を屋台で焼いて出したのが始まりと言われています。日本広しと言えども、焼鳥組合があるのは東松山市だけです。市内の25店が加入されています。組合で新鮮なカシラ肉を共同購入されているそうです。

北海道室蘭市のやきとりも豚肉を使うそうです。串に刺した豚肉と玉ネギを炭火で焼き、甘いたれ、洋がらしをつけて食べるパターンが多いと聞いています。玉ネギを使うところが北海道らしいですね。

愛媛県今治市のやきとりは鶏肉を使います。焼き方も特徴があります。上の二つが炭火で焼くのに対して、こちらは鉄板で焼くのが特徴です。鉄板の上に鶏肉を置き、上からアイロンのようなもので押さえて焼くそうです。一番人気は「トリ皮」で、甘だれとの絶妙なバランスがおいしさの秘密です。

この3種のやきとりが「日本三大やきとり」と言われています。