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彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督である蜷川幸雄(にながわ ゆきお)さんが12日にお亡くなりになりました。大変残念です。平成18年に芸術監督をお願いして以来、まさしく「世界のニナガワ」として、卓越した企画力と大胆な演出で多くの舞台芸術作品を世界に発信していただきました。

シェイクスピア全37作品の上演を目指す「彩の国シェイクスピア・シリーズ」は、5月25日(水曜日)から上演される「尺には尺を」が最後の演出作品となってしまいました。残すところあと5本というところまで迫ったところで、残念でなりません。この他にも、55歳以上の高齢者による「さいたまゴールド・シアター」、次世代の俳優を育てるための「さいたまネクスト・シアター」の結成など、人材の育成や高齢者の可能性、人生そのものを演技の中で引っ張り出すという見事な演出もなさってこられました。文化勲章も受けられ、まさしく埼玉県が生んだ偉大な芸術家でした。

シェイクスピアの海外公演が本家本元のロンドンで大好評を博したり、「さいたまゴールド・シアター」の皆さんがパリ公演で名を上げたり、何よりも国内の様々な演劇集団にすばらしい刺激を与え続けてこられました。告別式で弔辞を読んだ平幹二朗(ひら みきじろう)さん、大竹(おおたけ)しのぶさん、吉田鋼太郎(よしだ こうたろう)さん、小栗旬(おぐり しゅん)さん、藤原竜也(ふじわら たつや)さん、いずれも当代の人気俳優ですが、ある意味では蜷川さんとともに歩み、また育てられた俳優とも言えるかもしれません。今売り出し中の若手の中にも、何人も蜷川さんの舞台からスタートした人たちがいます。蜷川人脈とも言ってもいいぐらいのすばらしい人脈がここにあります。

蜷川さんはお亡くなりになりましたが、蜷川さんのレガシー(遺産)は劇場に、そして私たちの心の中に強く残っています。この「蜷川レガシー」をどう守り、あるいはまた、どう発展させるか、私たちはしっかりと考えて行動していきたいと思います。

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