以前にもこのブログで紹介しましたが、私の尊敬する知人で、渋沢栄一(しぶさわ えいいち)翁の玄孫(やしゃご)にあたる渋澤健(しぶさわ けん)さんから、定期的に「シブサワ・レター」を頂戴しています。毎回すばらしい時代認識をお示しいただき、私も参考にしています。そして、レターの最後には必ず渋沢翁の大事な言葉を紹介しておられます。

今回は「渋沢栄一訓言集」の「慈善と救済」という項目から、「国家の富が増すほど貧民が多くなることは、実験上の事実である。この困難の人をしてよくそのところを得せしめるのがすなわち王道であって、同時に世の富豪家の鑑(かんが)むべきことである。」という渋沢翁の言葉を紹介しておられます。

今日の日本や世界と同じように富の格差はいつの時代もあったのですね。

渋沢翁の言葉を受けて、渋澤健さんは「富を増すイノベーションは格差を呼びます。ただ、イノベーションによって格差は埋められます。持続的成長とは格差を産んで、格差を埋める新陳代謝の繰り返しだと思います。そして、その王道とは富豪だけの義務、特権ではなく、国民全体が歩むところです。」と言っておられます。

正に今日の日本や世界が進むべき目標だと思います。