本日、中国で抗日戦争勝利70年記念式典が行われています。これに潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が出席するという話が、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の出席とともに以前から話題になっていました。日本、アメリカ、ヨーロッパの首脳が軒並み、この記念式典への出席を見合わせています。最近の中国の強引な外交姿勢や軍事姿勢に対する一種の抗議の意味を込めて、そのような態度を取っているわけであります。ところが、国連の事務総長がこの記念式典への出席のみならず、軍事パレードにまで出席したのですから、国連の事務総長の立場というものを本当に踏まえているのかという批判が出ているわけです。
とりわけ、潘基文国連事務総長は次期韓国大統領選への出馬も噂されているところですので、一種のアピールではないかとも勘ぐられているところもあるわけです。いずれにしても、わざわざ反日的な式典に出席することで国連の中立性というものを歪(ゆが)める形になるのが危惧されるところです。私もこの潘氏の対応というのはあまり良くないと思っています。
ところで、先日、県の幹部職員と懇談した際に、国連の元々の成り立ちを知っているかどうか確認したところ、そこにいたほとんどの人が知りませんでした。今日の国連は第二次世界大戦の戦勝国である連合国が中心となって組織されたものです。したがいまして、国連憲章には現在も日本やドイツなど第二次世界大戦中に連合国の敵国であった国に対する措置を規定したいわゆる「敵国条項」の条文が残っているぐらいです。その割に日本は、長い間アメリカに次いで2番目に多い分担金を負担し続けているほど国連好きで、国連を支えてきました。しかしながら、国際政治の思惑の中でいまだに日本やドイツを敵国として扱っている条項が残っているというのが現実です。
そういう意味において、国連に過度な幻想を持つのではなく、国連をいかに改革して真に国際的な機関にするかを考えていかなければならないと思います。