1月1日(日曜日)の朝日新聞「耕論」に作家の川上弘美(かわかみ ひろみ)さんのエッセー風の寄稿がありました。
川上さんは、まず「AI(人工知能)や遺伝子操作や原子力などは、研究者の純粋な探究心から生まれたものであることは間違いのない事実だ」という認識に立っておられます。しかし、「その純粋な探究心から生まれたものが、必ずしもプラスに作用しない事例が原子力発電所の事故による放射能汚染ではないか」と言っておられます。現在のところ、AIや遺伝子操作では大きなマイナスは出ておりませんが、結構恐ろしいことが想像できます。
川上さんがAIの研究者に「AIの一番恐ろしいところはどこですか」と聞いたところ、「AIに『地球に一番いい環境とは何か』を考えさせると『人類が最も悪い影響を与えるので排除しよう』という結論になること」であったそうです。
遺伝子操作でも、「人間よりも更に優れた存在を作り出したら、今いる私たちが駆逐されてしまうかもしれません。そんな技術が生み出されてからでは、もう後戻りできない。」こんなことを川上さんは書いておられます。何やらハリウッド映画の「ターミネーター」の世界みたいです。
ゆめゆめ、主客転倒ということがないように私たちは心掛けなければならないと思います。科学技術の進歩というすばらしい成果を人類にとってプラスになるよう、しっかりと受け止められるのか、その力量が私たちに求められています。