シルバー人材センターの仕事というと、駐車場の管理や植木の剪定(せんてい)といったイメージを思い浮かべる方が多いと思います。しかし、最近では保育所にシニアの皆さんを派遣して子育て支援に一役買ってもらうなど、新しい動きが出てきました。埼玉県としてもシニアの活躍の場を一層広げるため、今年度から特色のある取組をしているシルバー人材センターを支援することにいたしました。
例えば、狭山市シルバー人材センターでは「シルバー・ジュニアスクール事業」に取り組んでいます。小学校1年生から中学校3年生までを対象に、平日に週4日、午後5時から午後9時30分まで自主勉強教室や学習教室、英会話教室を開催している事業です。いずれも廃校の空き教室を活用し、英会話は海外勤務などを経験した英語の得意なシニアの皆さんが教えています。鍵っ子の多い地域などでは、子供を安心して預かってもらえる上に勉強まで教えてくれるということで、有り難い取組のようです。
八潮市シルバー人材センターでは「家具転倒防止金具等取り付け事業」を展開しています。家庭での家具転倒防止器具の設置がいかに大切かを各家庭にお知らせするほか、依頼者には有償で家具転倒防止金具の取付けを実施しています。1軒当たり5千円程度だそうですが、いざという時の安心が高まります。この頃はいろいろなサービスが充実して便利になりましたが、その反動で何かと面倒くさがる人が増えている気がします。家具転倒防止の対策が必要だとは分かっていても、そうした金具の取付けなどを面倒に思われる方も少なくありません。「5千円程度でやっていただけるのだったら是非」という方にぴったりです。
県では、こうしたシルバー人材センターの特色のある試みを支援することによって、シニアが活躍できる社会づくりをしっかりと進めていきたいと考えております。
参考までに、最近の傾向として、県内のシルバー人材センターの会員が減っています。平成22年度末の51,891人をピークとして平成27年度末には47,218人と4,673人減っています。特に、60歳から69歳までが大きく減っており、8,724人減っています。逆に、70歳から74歳までは277人増え、75歳以上は3,774人増えています。要は70歳を超えても元気な方が増えているということでもありますし、定年延長や再雇用の広がりもあり、70歳になるまでは何らかの形で働き続けている人が増えているということかもしれません。