去る9月20日(日曜日)、第4回親守詩埼玉大会に出席しました。「親守詩(おやもりうた)」という言葉は聞き慣れない方も多いと思います。「親守詩」は明星大学教育学部教授のたか橋史朗(たかはし しろう)氏が提唱された、「子が親を思って作る詩」です。

 毎年、全国で親守詩のコンクールが開催され、多数の作品が応募されています。これまでの「親守詩埼玉大会」では、子供が作った上(かみ)の句に親が下(しも)の句をつけて一つの作品とする親子の詩(連歌の部)を募集してきました。それに加えて昨年から定型詩や作文などの部門も設けられるようになりました。素晴らしい作品が集まっていて、読むと思わず「うるうる光線」になってしまいます。いくつか御紹介をしたいと思います。

 まず、昨年の受賞作品です。

 〈連歌の部〉
 「外は雨 自転車通勤 気を付けて(子)
 心のメモに 書き残したい(親)」

 〈作品・詩の部〉
 「誕生日、毎年両親はお祝いしてくれる。『無事に健康に育ってくれてありがとう。元気に大きくなってね。』と母が言う。
 誕生日は『生まれた日』というだけでなく、『親に感謝する日』でもあることに気がついた。『産み育ててくれて、ありがとう。』」

 なかなか、「うるうる光線」です。

 今年の埼玉県知事賞は、

 「かみしめる 見送る母の たちすがた ふる手に強(ちから)と 想いのせて」

 埼玉県議会議長賞も、とても素晴らしい作品です。
 「なかないで ぼくが玉ネギ 切ってあげる そしたら別の 涙が出るよ」
 さいたま市長賞もいいですね。
 「食たくに 家族そろうと おいしいね 団らんという かくし味入り」
これらは、いずれも小学生の作品です。

 埼玉県PTA連合会会長賞もあります。

「反抗期 でも変わらない 親の愛 順調順調 自立の証」
これは中学生の作品です。なかなかの余裕ですね。

 親守詩大会賞も優れた作品です。親子の詩です。
「おかあさん いつもせんたく ありがとう (子)
 ふくのよごれが げんきのしるし(お母さん)」

 何点か紹介させていただきましたが、小学生や中学生から親を思う詩、そして、また、子の詩に応える親の詩の中に、まだまだ健全な親子の姿が垣間見えます。こうした詩を読んでいるとほっとします。

 
 教育の現場では困難なことも多いのですが、こうしていろいろな努力をされているグループの方々がたくさんいらっしゃることも、知っていただきたいと思います。