道に放置されている犬のフンを減らす方法として、京都府宇治市が市民に呼び掛けている「イエローチョーク作戦」が効果を上げているそうです。

作戦は次のとおりです。

黄色いチョークを用意する。
放置されたフンを囲むようにチョークで円を描く。
併せて、近くにフンを発見した日時を書く。フンは回収しない。
時間を変えて現場を見回り、フンがあるときは「確認日時」を書き、なくなっていれば日時とともに「なし」と書く。頻繁にフンが見つかる場所には、予防のために日時とともに「パトロール中」と書く。
以上を繰り返し行う。
宇治市では職員が発案したこの作戦の効果を試すため、昨年1月から職員がチョークを持って週に2、3回、早朝や夕方に市内を巡回しました。作戦開始前は約30か所でフンが放置されていましたが、巡回の結果、フンの放置はほとんど見られなくなったそうです。

あえてフンを目立たせることによって、飼い主の注意を喚起する方法です。看板を立てるよりもずっと費用が掛からず、誰でも手軽に取り組むことができます。市が広報紙やホームページなどで方法を紹介したところ住民が自ら取り組む地域も出始め、効果を聞いた自治体からの問い合わせも来ているとのことです。

この作戦が効果的なのは、人の行動特性を上手く利用しているからだと考えられます。犬の散歩は日々の習慣であることから、飼い主はほぼ決まった時間に散歩に出かけ、選択するルートも限られる傾向にあります。一方、フンは「なし」と書かれた日時から「確認日時」の間に放置されたものであるため、路上に書かれた日時がフンを放置した飼い主を特定する手掛かりとなります。

犬を散歩させるため、日常的に同じルートを同じ時刻に利用する飼い主にとって、「路上の証拠」は決して無視できない存在です。飼い主同士、あるいは飼い主と散歩コースの住人が顔見知りになっている場合は、より一層、監視効果が発揮されます。

フン害は全国共通の問題です。誰でもすぐに実践できる「イエローチョーク作戦」、試してみる価値がありそうですね。