東日本大震災から11年が過ぎました。
各地区で復興の建物はできてきましたが、人は必ずしも戻っていません。

何よりも福島の原子力発電所の後始末がまるきりできていません。
汚染水、政府は汚染処理水と言っていますが、溜まるばかりで満杯の状況です。
薄めて海洋投棄という選択肢しか無くなったようですが、11年かかった知恵がこんなもの
かと思います。

もっと有害な物質を分解したり、低減する研究開発はできないのかと思うのは私一人ではないはずです。
また何よりも原子炉の処理が一切できていないことです。私は、チェルノブイリのように石棺つまりコンクリートで包み込む方法以外、方法はないのではないかと思っています。

情けないことですが、次代の知恵、将来の人類の知恵に負うことになるのかもしれません。

政府は、30の原子力発電所の原子炉を廃棄すると発表しています。何やら30も廃炉したのかと思わせる表現ですが、福島と同じように1ミリも動いた訳ではありません。
炉心の重要な部分を抜き取って、危険な状態を安定させることすらもできていないのです。

残念ながら、放射性廃棄物の最終処分場すらも決まっていませんので、だらだらと時間だけが過ぎていくような気がいたします。

大事なことは、原子力発電所を稼働するにしても、しないにしても、安全な廃炉の仕組みがきちっとできるのかどうか、このことが一番重要です。廃炉に向けて全ての技術や人材を投入して、日本だけでなく世界の原子力発電の廃炉に貢献できる日本でありたいものです。

全国知事会の東日本復興協力本部長として、毎年、被災三県を回っていました。
現場を見て、それぞれの被災県の知事からも話を聞いて、復興庁に要望するのが仕事でした。
3年、現場に行っていませんので、夏の参議院選挙が終わったら、改めて、現場周りをしてみたいと思っています。

参議院議員 上田清司