昨年7月の全国知事会において「米軍基地が集中する沖縄県の現状に共感すべきである」という意見が出され、研究会を立ち上げることになりました。外交・防衛は国の専管事項でありますので、極めて慎重な取り扱いが必要でもあります。
そこで、米軍基地の負担問題という全国的課題に焦点を当てた「全国知事会米軍基地負担に関する研究会」を昨年11月に発足しました。山田啓二(やまだ けいじ)全国知事会会長(京都府知事)から指名を受け、私が座長となってメンバーと課題についての整理・研究を進めています。
沖縄県は今日、沖縄戦から72年となる「慰霊の日」を迎えました。
沖縄戦は太平洋戦争における国内最大の地上戦で、約3か月の間に住民を含む20万人以上が犠牲になりました。実に、県民の4人に1人が犠牲になるという悲惨さです。
沖縄県民の戦闘の様子を伝えるものの一つに、海軍陸戦隊を率いた大田實(おおた みのる)海軍中将の海軍次官への最後の打電「沖縄県民斯(か)ク戦ヘリ、県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜(たまわ)ランコトヲ」が広く知られています。
この打電の思いを生かす解決方法を探るのはなかなか困難なことですが、「まずは沖縄県民の現状にシンパシーを持つこと、そして現状を再認識し米軍基地の見直しを進める条件づくりをすること」と自分自身に言い聞かせています。