本県の川越市にある「霞ヶ関カンツリー倶楽部」が2020年の東京オリンピックのゴルフ会場となっていることについて、様々な意見があります。今、一番大きな問題になっているのは、女性正会員が認められていないという話ですが、これには誤解も多いようです。そもそもは公益財団法人日本ゴルフ協会が東京都からゴルフ競技会場選定の依頼を受け、東京都の選定条件に従って約50のゴルフコースの中から絞り込み、最終的に最良の会場として霞ヶ関カンツリー倶楽部が選ばれ、「立候補ファイル」に記載されたものです。当然、女性正会員の点についても検討され、その説明を了として、国際オリンピック委員会(IOC)や国際ゴルフ連盟(IGF)の承認があったものと理解しています。

霞ヶ関カンツリー倶楽部は既に自らの費用負担でコースの改修を行い、国際ゴルフ連盟による視察・承認を10回以上受け入れるなど、一般社団法人としての創立精神にのっとり、国家的な事業であるオリンピック競技開催に向けて、数々の要望に応え、準備をされてきたところです。

女性会員の問題ですが、平日と土曜日にプレーできる「週日会員」と「家族会員」の中には現在212名の女性会員が在籍していることもよく知られておりません。女性会員に対する待遇や権利、あるいは施設利用について女性会員からのクレームはなく、1999年には日本女子オープンが開催されるなど、女性プレーヤーに対して十分に門戸は開放されていると聞いています。

最近のデータでは、年間営業日のうち9割以上にあたる日が女性のプレー可能な日になっているそうです。年間の来場総数約65,000人のうち、女性は9,000人を超えているとの報告もあります。
また、この霞ヶ関カンツリー倶楽部は日本ジュニア選手権を40年以上にわたり継続されていたり、日本オープンなどの公式競技の会場となったり、日本のゴルフ振興や選手育成などにも大きな役割を果たしてきたクラブであることは多くの方が知っているところです。
こうした実態がなかなか理解されず、ただ女性の正会員がいないということだけで全てがマイナスであると言わんばかりのニュアンスが伝わってきたりしています。

様々な状況が大きく変わっている現在の流れの中では、社会からの要請に応える努力をしていくべきだとは思いますが、もとより、一般社団法人として、会員の皆様の意志で改めて女性正会員を受け入れるのか受け入れないのか、経営判断も含め、どうするかを決めるのは霞ヶ関カンツリー倶楽部側であるわけです。
しかし、事実関係が知られないままに批判をされているのが残念でしたので、このブログで取り上げました。様々な意見を聞かれた上で正々堂々と判断されたらと思います。