明けましておめでとうございます。県民の皆様、今年もどうぞよろしくお願いします。

正月気分の中、くわい(慈姑)の話からスタートします。年の瀬に越谷市のくわい生産農家の皆さんが県庁にお越しになるのが慣例になっています。昨年も12月26日(月曜日)に、越谷市農業団体連合会の会長であり「越谷くわい研究会」の代表でもある金子繁雄(かねこ しげお)さんや役員の小舩正策(おぶね せいさく)さんらがお見えになりました。

「慈姑」という漢字もまた難しい字であります。「葡萄」(ぶどう)とか「薔薇」(ばら)などは、書けないけれど読むことはできると思います。この「慈姑」というのは、読むことすら難しい漢字の代表例ではないかと思います。

さて、くわいは正月料理に使われることが多い食材です。なぜ、くわいが正月料理なのかというと、大きな芽が付いているその姿から、大きな芽が出ている、したがって「おめでたい」とされて、昔から縁起物としておせち料理や祝い事に使われています。

本県では、江戸中期から、現在の越谷市、さいたま市、草加市の綾瀬川流域の湿地帯に産地が形成され、全国有数の生産量を誇っています。平成26年度の全国のくわい生産量は、1位が広島県、2位が埼玉県、3位が茨城県、4位が大阪府といった順番であります。県内の主要産地は、1位にさいたま市、2位に越谷市で大体限定されています。

本県産のくわいは、東京市場をはじめ、大阪市場、京都市場にまで出荷され、形、色、独特の苦みと甘みが優れており高い評価を得ています。東京中央卸売市場の取引価格(平成27年)では、市場全体の平均は1キログラム当たり1,648円ですが、埼玉県産は2,098円で取引されているそうです。いずれにしてもレベルの高いくわいだと言えます。

訪問された皆さんは新たな需要を開拓するため、焼酎「祝の一角(いわいのいちかど)」(さいたま市)、「慈姑パイ」・「慈姑サブレ」・「越谷くわい銘菓」(越谷市)などのくわいの商品化にも取り組んでおられます。おせち料理や祝い事が多いこのお正月、改めて、本県産のくわいのすばらしさを多くの皆さんにお知らせしたいと思ったところです。