12月13日(火曜日)付け日本経済新聞(夕刊)のコラム欄「あすへの話題」に元警察庁長官の漆間巌(うるま いわお)氏が面白いことを書かれていました。大和ハウス工業株式会社の樋口武男(ひぐち たけお)会長の講演等を取りまとめた『創業者精神の継承』と題する小冊子についてです。
その冊子の中で、樋口会長は社員を、「本当に会社のため、会社をよくするため、部下を成長させるため、を常に考えている度量・力量・器量が備わった、会社になくてはならない人財」、「会社に必要な人材」、「給料に見合う仕事をする人剤」、「命令された範疇(はんちゅう)のことしかやらない人在」、「会社にただぶら下がっている人罪」の5種類に分け、企業経営の根幹は人財育成と断じているとのことです。この5種類の分け方がなかなかユニークだなと思いました。
一般的に言われているのが「2・6・2の法則」というものです。一生懸命やっている人が2人、そこそこやっている人が6人、そして2人はぶらさがっているという話です。
財産の「財」と、一般的に言うところの人材の「材」と、換金のための手形の意味であった「剤」、そしてただ存在している「在」、それから罪の「罪」。5つの「ザイ」が当てられているのが極めて印象的です。確かに「企業は人なり」という言葉がありますし、最終的に「人財」が育っていれば企業は半永久的に存続するものです。そういう意味で、企業の存続を願うならば、正に人財育成に尽きるという樋口会長の言葉は、まさしく至言です。
県庁においても、職員の意識改革は重要な課題です。大きな変化は避け、余計なことは言わないという行政文化の特徴を考えると、行政こそ、この樋口会長の言葉を一番重く受け止めなければいけないのかもしれません。