埼玉県立熊谷農業高校は農業教育における名門校として、県北エリアでは確たる地位を誇っています。
同校では農業学習の一環でスズムシを飼育していますが、このスズムシを毎年、箱庭風の飼育箱に入れ、天皇皇后両陛下、皇太子同妃両殿下、秋篠宮同妃両殿下に献上しています。これは、昭和39年、当時4歳の皇太子殿下(当時の浩宮様)が昆虫に御興味を持たれていたことから、皇室とつながりの深い学習院大学から同校に打診があり、スズムシの献上が始まったものです。
天皇陛下が生物についての造詣が深いことはよく知られていますが、皇太子殿下もまた、生物一般についての造詣が極めて深い方であります。
皇室の皆様は、熊谷農業高校の生徒の皆さんが丹精込めて育てたスズムシの美しい声を、毎年楽しみにしておられると伺っております。

今年も9月14日(水曜日)に生徒の皆さん方が皇居を訪れ、スズムシを献上しました。これを受け9月16日(金曜日)、宮内庁東宮職の侍従から、皇太子同妃両殿下の御礼の言葉をお伝えいただきました。さらに、9月20日(火曜日)には宮内庁侍従職から、天皇皇后両陛下の御礼の言葉をお伝えいただきました。熊谷農業高校の校長先生あてにも御連絡をされた様子であります。

県庁にもこのスズムシが届けられています。朝の暗いうちや夕方になるとスズムシが美しい音色を奏でております。
今年の秋は、長雨のせいで薄暗い日が続いているので鳴き疲れるのではないかとちょっと心配をしています。夕方だけであればいいのですが、朝も昼間も鳴いたりしてしまうとエネルギーを消耗してしまうのではないでしょうか。
スズムシさん、できるだけ長生きしてください。

知事室のスズムシの鳴き声(MP3:253KB)