明治安田生命保険相互会社が同社の保険加入者約600万人を対象に行った「全国同姓調査(2013年12月公表)」によると、全国的に多い名字の第1位が「佐藤(さとう)」、第2位が「鈴木(すずき)」、第3位が「高橋(たかはし)」で、これら3つで全体の約4%を占めているそうです。ちなみに「上田(うえだ)」は第67位です。埼玉県では第1位が「鈴木(すずき)」、第2位が「佐藤(さとう)」、第3位が「高橋(たかはし)」で、以下「小林(こばやし)」、「渡辺(わたなべ)」と続いているようです。

名字は江戸時代までは武士や公家にしか認められていなかったのですが、1870年(明治3年)に明治政府が「平民苗字許可令(へいみんみょうじきょかれい)」を出したことをきっかけに、それまで名字を持っていなかった庶民も新たに名字を登録することとなりました。名字の成り立ちで一番多いのは地名に由来するものですが、その他にも季節や職業、地形に由来するものなど、実に様々なものがあります。珍しい例を御紹介すると・・・

「四月一日(わたぬき)」:四月一日になると着物の綿を抜いたことから。
「小鳥遊(たかなし)」:鷹がいないと小鳥が安心して遊べることから。
「一口(いもあらい)」:出口が一つしかないと芋の子を洗うように混雑することから。
「月見里(やまなし)」:山がないと視界を遮るものがなく、お月見がしやすいことから。

ちなみに、昨年のラグビーワールドカップ2015イングランド大会で大活躍した五郎丸(ごろうまる)選手は大変珍しい名字ですが、これは福岡県北部にある地名に由来しているそうです。

名字を掘り下げていくと、その人の御先祖様の住んでいた地域や暮らしぶり、ものの考え方などが伺えて話題が広がります。名字はもともと自分の身内と他人を区別するための符号として発達したものとされていますが、人と人をつなぐコミュニケーションのきっかけとしても有効です。