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 毎月発表されます有効求人倍率を見ると、私は実に不愉快になります。埼玉県の順位が実態以上に低く出るからです。有効求人倍率とは一人の求職者に対して何件の求人があるかという数字です。二通りの統計があります。一つは就業地別です。就業地別では東京都にある会社が埼玉県の支店で働く人を求める場合、その求人数は埼玉県でカウントされます。一方、受理地別では東京都にある会社の求人であれば、埼玉支店の求人でも、その求人数は東京都にカウントされます。就業地別でいきますと埼玉県は全国で40位になります。そして受理地別でいきますと全国45位です。

 こうした仕組みのため、受理地別の有効求人倍率の1位は当然、東京都で1.9倍です。ところが、就業地別でいくと東京は1.34倍で18位。1位は福井県で岐阜県が2位、富山県が3位という順番になります。こうしたことはほとんど知られていません。

 更に大きな問題は、有効求人倍率のデータはハローワーク経由での就職しか捕捉していないということです。首都圏では就職情報誌が数多く発行されているため、ハローワークを経由しない求人・求職が多く、ハローワーク経由だけの有効求人倍率では埼玉県の雇用の実態を正確に表していません。実は、埼玉県民の就職全体のうち、ハローワーク経由の就職は18パーセントから20パーセントと全国で最も低い割合です。有効求人倍率のこうした限界が示されないままに数値だけが独り歩きすると、埼玉県は最も仕事のない県だという誤解が広まってしまいます。

 御案内のとおり、各駅には無料の職業紹介のパンフレットが山ほど積んでありますし、毎日のように新聞広告で求人の広告が出ております。このように求人・求職が活発で就職情報誌の市場が育っている神奈川県や埼玉県では、ハローワークへの依存度が他県に比べて低く、そのことがかえって有効求人倍率の全国順位を低くしてしまっています。

 しかし、当然仕事があるからこそGDPは全国で神奈川県が4位であり、埼玉県は5位になる訳です。それにしても、実態を表していないこの有効求人倍率をいつまでも使うというのもいかがなものかと、厚生労働省には申し入れをしているのですが・・・。

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