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 2月8日(月曜日)の日経ビジネスに「チャイルショック」という記事が掲載されていました。この「チャイルショック」とは中国(チャイナ)の経済減速の不安と原油(オイル)価格の下落による資源国への打撃に端を発する世界経済の混乱を表す造語だそうです。いま世界経済で何が起きているのか。その記事の内容をかいつまんで御紹介したいと思います。

 2008年のリーマンショック後、先進国での金融緩和の結果発生した大量のマネーは一斉に新興国へ向かいました。しかし、中国の経済減速と原油安をきっかけに新興国バブルは逆回転し始めています。中国やその他の新興国への投資マネーは逃避し、これらの国をますます苦境に追い込んでいます。また、新興国に成長の機会を求めてきた欧米や日本の企業業績も直撃を受け、先行きが見通せなくなっているのが世界経済の現況と言えます。

 「チャイルショック」の日本への波及を防ぐため、日本銀行は1月29日(金曜日)の金融政策決定会合において、史上初めてマイナス金利を導入しました。アメリカはシェール革命により世界一の産油国になりましたが、想像以上の原油安に直面し大半のガス油田が損益分岐点を下回り、シェール革命の夢はしぼんでしまいました。

 ドイツは2000年代に生産拠点を労働コストの安い東欧諸国に移し、輸出競争力を確保してきました。ユーロ安を受け輸出競争力は更に高まり、ドイツの独り勝ち観がありました。しかし、ここにきて難民問題がドイツ経済の輸出産業に打撃を与えているようです。難民問題の影響で国境検査が復活したために物流の停滞が広まっており、恒常的な停滞の可能性が出てきました。輸出大国のドイツにとっては楽観できない状況です。

 中国ではリーマンショック対策で打ち出した4兆元(約57兆円)にのぼる経済対策により高まった製造業の生産能力が過剰となっています。経済の減速により余剰感は一段と高まっており、経済の再浮上はセメント、鉄鋼など主要設備産業のリストラができるかどうかにかかっているとも言われています。近年、日本企業は中国に集中しすぎた製造拠点を修正する一環として、ASEANに積極的に投資する海外戦略を採ってきました。しかし、ASEAN各国の製造業の主な輸出先は中国です。中国の経済成長の減速はASEANや新興国経済にもダメージを与えています。

 新たな世界経済危機を回避するための国際協調が正に求められていると思います。

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