バレンタインデーが近いので、チョコレートにまつわるお話を一つ御紹介いたします。
「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という米国の権威ある臨床医学誌に発表された論文によると、国別のノーベル賞の受賞者数とチョコレートの消費量には高い相関関係があるそうです。東京大学名誉教授の黒木登志夫(くろき としお)氏が著した「iPS細胞(中公新書)」という本の中で紹介されていました。

 それによると、日本を含む22か国について縦軸に人口1000万人当たりの全部門総受賞者数(創設以来2011年まで)、横軸に国民一人当たりのチョコレート消費量を取ると、きれいな直線が得られるそうです。
国別で見ると、受賞者とチョコレート消費量が一番多い国はスイスです。日本は1000万人当たりのノーベル賞受賞者が1.3人、国民一人当たりの年間チョコレート消費量が2キログラム弱と残念ながらいずれも低位です。ただ、スウェーデンはチョコレートの消費が少ないのに受賞者は多いという結果です。このことは、ノーベル委員会が意識して自国の受賞者を出している証拠だと論文では主張しているようです。
このグラフから計算すると、チョコレートの消費量を国民一人当たり年間400グラム増やすと、受賞者が1人増えるという勘定になるそうです。こんなことでノーベル賞の受賞が増えるのであれば、チョコレートをもっとたくさん食べればいいのかもしれません。
また、ネイチャー誌によると、ノーベル賞受賞者は明らかにチョコレートを好む傾向があるそうです。自然科学系と経済学の男性受賞者の23名中10名は週2回以上チョコレートを食べているということです。

 埼玉県はチョコレート類の出荷額が大阪府と1位、2位を争うほどのチョコの一大生産地です。ただ、残念ながら、家計調査(二人以上の世帯。平成24年~26年の平均)によると、チョコレートへの支出金額の方は全国17位(都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング)と今一つです。
チョコレートの地産地消がもっと進めば、もしかしたら本県出身のノーベル賞受賞者が多くなるかもしれません。
今度機会があったら、昨年ノーベル賞を受賞した梶田先生と大村先生にチョコレートを食べておられるかどうかを聞いてみたいと思います。