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 知事の仕事をしていると県政運営に関するレポートや報告書などを毎日たくさん読みます。そのほかにも「東洋経済」や「ダイヤモンド」、「中央公論」などの週刊・月刊情報誌やクオリティ誌に掲載されている注目すべき記事にも極力目を通すようにしています。
毎月2回発行の「プレジデント」に連載されている大前研一先生のレポートは私が参考にしている情報の一つです。知事になってからはすっかり御無沙汰していますが、国会議員時代は先生によくお会いして様々なヒントをいただいたものです。今でも先生のレポートは思考回路を柔軟にし、新鮮にするという点で大いに役に立っています。

 最近、先生のレポートを拝読してなるほどと思ったのは、「アイドル・エコノミー」というビジネスです。これはAKB48のようなアイドル(Idol)ではなくて、「働いていない」、「使われない」、「空いている」という意味のIdleです。空いているリソース(資産)やキャパシティ(容量)、タイム(時間)を生かしたビジネスを総称して「アイドル・エコノミー(Idle Economy)」と言うそうです。カーシェアとかシェアハウスなどもそれに類するものだと思います。

 驚いたのは、エアビーアンドビー(Airbnb)という2008年にサンフランシスコで創業された会社の事業です。この事業は、個人(ホスト)の所有する空き部屋をインターネットで宿泊を希望する者(ゲスト)に紹介するもので、いわば民泊のプラットフォームを世界190か国で展開しています。
同社自体は宿泊施設を一切持っておらず、子供が独立したために空いた部屋、使っていない別荘、空いている旅館の一室などをゲストにマッチングさせます。利用者のマナーを確保するため、ゲストは実名やメールアドレスなどによる本人確認が義務付けられます。また、宿泊後はホストとゲストが互いに評価しあう仕組みとなっていて、ほかのユーザーはそれを参考にすることができるそうです。部屋を提供するホストからは宿泊料金の3%、ゲストからは6%ないし12%の手数料を取り、それが同社の収入になります。
同社のサイトには世界約34,000都市の60万室以上が登録されているので、客室数で見ればヒルトンやインターコンチネンタルなどの大手ホテルチェーンと同レベルであるというお話です。
 事業を展開する上で、エアビーアンドビーは何のリスクもありません。ユーザーが増えれば、それに合わせてシステムを改良し、オペレーターを増やしていけばいいだけですから、本当にインターネットを使ったビジネスというのは、ローコストで世界を相手にすることが可能だということになります。これまでの業界の常識を打ち破る発想に驚かされます。すごいですね。

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