昨年は、梶田隆章(かじた たかあき)先生、大村智(おおむら さとし)先生と県にゆかりの深いお二方のノーベル賞受賞に県内が沸きましたが、実は、県内2か所の取組が、「ギネス世界記録」に認定された年でもありました。

まず、昨年9月には、行田市の田んぼアートが「世界一大きな田んぼアート」としてギネス世界記録に認定されました。さらに11月には、川越工業高校の生徒たちが製作した電車が22.615kmを完走し、「乾電池で走る車両が線路上を走行した最長距離」というギネス世界記録に認定されました。

様々なジャンルの世界記録を集めて掲載している「ギネスブック」。この本はその名が示すとおりイギリスのビール会社「ギネス社」が発行しています。なぜ、ビール会社が「世界一」を集めた本を発行しているかというと、実はそこにはとんでもない企業戦略が存在しているのだそうです。

「ギネスブック」誕生のきっかけは、1951年のアイルランドで当時ギネス社の最高責任者だったヒュー・ビーバー卿が仲間と一緒に狩りに出かけた先で、「世界で最も速い鳥は?」という疑問を持ったことだそうです。これになかなか結論が出なかったところ、ビーバー卿がこういった事柄を集めて載せた本があれば評判になるのではないかと思ったそうです。

一説では、彼はその時、「世界記録を集めた本を創れば、酒飲みの話で盛り上がり、ビールの売上げが伸びていくのではないか」と言ったとされています。そこで、ギネス社はロンドンの調査会社に調査と出版を依頼し、1955年に「ギネスブック・オブ・レコーズ」の初版が発売されました。この時、イギリスのパブではこの本が無料配布されたそうです。本はたちまち大人気となり、これまでの販売累計は1億3200万冊、現在では20か国の言語に翻訳され、100か国以上の書店に並べられているとのことであります。これもギネス級かもしれません。