11月9日(月曜日)に九都県市首脳会議が開催されました。一都三県と横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市の5つの政令市の知事・市長による年2回の首脳会議です。
 全国知事会や関東地方知事会では、テーマによっては各県の状況が異なりますので、なかなかスピーディーな実行部隊にはなりにくいところがあります。
 一方、この九都県市は、同じ首都圏として共通の地域課題を抱えています。このため、それぞれの認識が一致しやすく、したがって様々な課題への対応を共同で取り組んだりすることができる実践的な会議であります。
 これまでの取組で有名なところでは、石原 慎太郎(いしはら しんたろう)元東京都知事が提案した排ガス規制強化がありますし、埼玉県が提案したコンビニにおける有害図書の区分陳列や青少年の携帯電話のフィルタリング(有害サイトアクセス制限サービス)強化などもあります。

 11月9日の首脳会議では、神奈川県の黒岩 祐治(くろいわ ゆうじ)知事が「子どもの未病対策」を提案されました。実は黒岩知事はこれまでに関東地方知事会などでも、この「未病」に関して様々な提案をされています。ただ、一般的には「未病」という言葉にはなじみがなく、分かりづらい面もあるかと思いますので、若干説明させていただきます。

 「未病」とは、文字どおり「未だ病気に至らず」ということで、健康と病気の境目、つまり病気ではないが健康でもない状態のことを言うそうです。ともすれば病気になった場合の対策に重点が置かれることが多いのですが、むしろ病気の手前である不健康な状態を健康な状態に引き戻すことの方がもっと大事だというのが黒岩知事の問題認識です。

 基本的にはこの考え方に反対する人はいないと思いますが、「未病」という概念を理解してもらうのには、時間が掛かるのかもしれません。九都県市として「未病」をどう扱うかということについても、同じような対策をそれぞれ取り組んでいますので、まずは「未病」という概念についてしっかりと共通理解を持つことが大事ではないかと思っています。

 本県が取り組んでいる「健康長寿埼玉プロジェクト」も、広い意味では「未病対策」だと言えるのかもしれません。病気になった後の対策も大事だけれども病気になる手前の人たちをいかに健康に戻すのかということが大事だということを訴えていきたいと思っています。